新井邦宏氏の言いたい放題 第17回
勝ち組Cさん
Aさんは、月間で200万円の利益を基本とし、Bさんは、毎日運用資産の1%ずつ積み上げることを考えました。
AさんとBさんの違いは、Aさんが生活費を稼ぐことを基本としていることに対し、Bさんは生活費を稼ぎながら資産の増加を図っているところにあります。
そのため、Aさんは1ヶ月のうちの相場のよいところだけを売買し、時としてある程度の値幅を取りに行くのに対し、Bさんは毎日1ティックないし2ティックを狙いにいきながら、日計りベースでとれるだけの値幅を取りに行きます。
これに対し、Cさんは自分の運用資産の額から、毎日稼ぐ目標金額を設定しています。それも、専業なのでAさんやBさん同様、生活ができるだけの利益を狙います。
Cさんは、当初は毎日5万円程度の利益を目標にトレードを行い始めました。
5万円というのは、1万株で5~6円程度ですが、これを複数銘柄仕掛け、2円程度でも一日に何度かとれば、それでも構わないと考えます。
一日5万円の利益は、20営業日で100万円になります。
しかし、Cさんは通常の1000株単位の銘柄は売買せず、売買単位が1株単位の銘柄を狙います。つまり、マザーズやヘラクレスといった新興市場が対象マーケットです。
これらのマーケットは、板が薄いながら、動く時はすぐに10万円幅、また値嵩のものは100万円幅で動きます。
皆が関心を持っている時はある程度の流動性がありますが、人気離散となると極端に出来高が細るため、逃げ場が重要になります。
これは昔から、二部や店頭市場でも同じことでしたが、これに輪をかけたのがこれらマザーズやヘラクレスです。
一日の値動きも、動く時はすさまじいものがあります。薄い売り板をほぼ成り行きと同じように買っていくので、あっという間に数万円、数十万円単位で動きます。
そして投げる時も、買い板がない処を一気に売るので、大陰線を引くことが多くなります。
専業ですから、分足のチャートと板を見ているので、いくらを超えると売り板がなくなり、あるいはいくらを割り込んでくると買い板がなくなるか、それらを見ての売買です。
勝つ時はかなりの金額を取れますが、時として大きくはまることもありますが、それでも一気に損切りを行います。
Cさんも、AさんやBさんと同様に、資金が寝てしまうことを極端に嫌います。資金が寝ることは、その時動いている銘柄でとれるかもしれない機会を失います。
結果、当初は毎日5万円程度だったものが、運用資産の増加とともにそれが毎日10万円になり、50万円、100万円と増えていきます。
お判りの通り、毎日5万円は月に100万円、年間1200万円。毎日10万円は月に200万円、年間2400万円。そして毎日100万円になると、月に2000万円、年間2億4000万円になります
誤解のないように述べておきますが、ここに出てきている人たちは、実際に実在し、まさにその通りのことをやっています。
当然、ここでの説明では、単純なかけ算になっていますが、実際には海外に遊びに行くことや、トレードをしない日もあるので、その差異は出ますが、それでもこの計算値よりも実際の数字が大きいようです。
何も大きい数字をあげることが目的ではなく、仮に毎日5万円とることがどのような意味合いを持つかを考えてほしいのです。
Aさんは225先物、Bさんは東証一部のような銘柄、そしてCさんは新興市場。それぞれ、自分の得意とするフィールドを持っています。