初心者のためのテクニカル分析【保存版】:月足チャートの重要性1
このコンテンツは、過去に行った集中連載をお客様の多数のリクエストにより再掲載したものです。
チャート分析をする上で欠かせないチャートの見方の基礎の基礎ですので、チャート画像は少し古いですが、「チャート分析は初めて」という方など、チャート分析の基礎を知りたい方には大変有効なコンテンツです。
初心者の方は特に熟読されることをオススメします。
その他オススメコンテンツ →買い時・売り時必勝パターン →チャート分析のための指標の見方・使い方
上昇トレンドとは
このカリキュラムでは、長期トレンドの知った上で、週足の動きを分析をします。また日足チャートも分析します。
このことが、いかに重要であるかということを、初級レベルの人で知る人は少ないと思います。
また多くの人が、日足(目先の動き)の動きのみに一喜一憂しています。これでは、株式分析をしているとは云いません。また投資をしているとも云いません。
目先の動きにとらわれて株を買うことは、投資ではなく「バクチ」です。
もともと、株はローリスク、ハイリターンであります。これも分析次第です。これをハイリスクにしているのはバクチ家自身です。
是非、株式分析の順序である長期トレンドの重要性をマスターして、週足、日足分析の順に分析方法をマスターいただきたいと考えます。
株価のトレンドを知る(月足からトレンドを知ることが最重要)
上昇トレンドとは・・・・
株価の基調を長期(月足)・中期(週足)・短期(日足)に分けて説明されることがよくあります。
トレンドは長期の株価の動きから判断します。その中で月足チャートで60ヶ月移動平均線の方向性からトレンドの判定をいたします。
60ヶ月移動平均線が上向きの状態で株価が60ヶ月移動平均線を上回って推移している株価の動きを長期上昇トレンドと判定いたします。
また株価の動きの範囲を見る上で分かりやすい様に、60ヶ月移動平均線を上下に+50%から-50%の幅で移動平均線をずらして株価の動きに合わせて表示します。
ずらして表示することで株価を分析する上で、株価位置がより分かりやすくなります。
長期上昇トレンドの底値圏と天井圏と基調分析の見方を説明いたします。
長期上昇トレンドの上昇期間は7年から9年が目安
6752・松下電産の月足チャートでは93年3月に995円で下げ止まってから、95年、98年の下げ止まっている位置は60ヶ月移動平均線前後で下げ止まっています。
この様に上昇トレンドの場合は60ヶ月移動平均線を下値支持線に底値位置として下げ止まることが多く、ここを目安に反発に転じます。
この様に60ヶ月移動平均線を下値支持線にして+50%ラインを上値目途に上昇する株価の動きを上昇トレンドと判断します。60ヶ月移動平均線を下回ることもありますが、この位置で6ヶ月移動平均線を上回ったら上昇転換したと判断します。
基調の中で6ヶ月移動平均線を下回っている間は下降相場で上昇転換したとは見ません。このライン(下値支持線)を下回ると上昇相場は終わった時です。2001年5月に60ヶ月移動平均線を下回ったので、長期上昇相場は終わったと判断します。
松下電産の月足チャートでは、92年3月に995円で底入れしてから2000年3月に3320円の高値を付けるまで約7年間の長期上昇期間でした。
上昇トレンド株の動きは、60ヶ月移動平均線を下値支持線に上昇を続けます。
93年の底値から上昇に転じてからの底値(反転)位置を見ると、95年6月に1200円で下げ止まった位置は60ヶ月移動平均線を下回った位置です。98年10月の下げ止まった位置は60ヶ月移動平均線です。
上昇トレンドでは60ヶ月移動平均線前後で下げ止まり、下げ止まってから6ヶ月移動平均線を上回ったら上昇転換したと見るポイントです。その後6ヶ月移動平均線を上回って株価が上昇している間は上昇基調です。天井圏は60ヶ月移動平均線+50%ライン前後に達したら高値警戒ゾーンと見る位置です。
この高値圏の位置で6ヶ月移動平均線を下回ったら下降転換です。下降転換してから6ヶ月移動平均線を下回っている間は下降相場と見る状態です。
2000年3月に3320円の高値を付けた後、ボックスを続けていましたが、2000年12月に6ヶ月移動平均線を下回りました。下降転換してから6ヶ月移動平均線下回った状態が2001年11月まで続きました。
10月の1398円で下げ止まったことになり、12月から6ヶ月移動平均線を上回ったことで、上昇転換したと判断できる状態です。
この基調の動きを頭に入れておくことで、方向性、株価位置(高値・底値)、相場基調(上昇転換・下降転換・上昇相場・下降相場)の状態を知ることができます。このトレンド・基調株価位置を頭に入れてください。
月足でトレンド、上昇期間や株価位置、基調が解った上で、週足チャートでどの様に判断しますか。
週足チャートでは、2000年末まで上昇相場が続いていますが、月足で6ヶ月移動平均線を下回った、年末には下値支持線の50週移動平均線を下回り下降転換しています。
この様な下降転換の下落を、月足トレンド、株価位置を知らない人は、「押し目だ・買い場だ」と下げた位置を買ってしまいます。
2001年以降は下降相場が続いていますが、月足チャートで上昇期間、トレンド判断、株価位置を知っていれば、この位置を「売り場だ・これから暴落する」と知ることができたはずです。
週足チャートでも、基調を知ることはできますが、長期で見るトレンドや上昇期間や株価位置を知ることはできません。
この様に、チャート分析の基本は、月足チャートから、上昇トレンド、株価位置、下降転換、下げ余地などを知ることから、投資判断の基本ができるようになります。
月足チャートで見る上昇トレンドの上昇相場・下降相場局面
月足チャートで知る長期上昇トレンドについて説明しました。株式投資をする上で、まずトレンドを知る必要があることがおわかりいただけたと思う。上昇トレンドでも一本調子で株価は値上がりする訳ではありません。次はトレンドの中の基調と株価位置を知る必要があります。
チャートを見ながら、基調と買い場・売り場について説明します。
長期上昇トレンドの中の基調と買い場・売り場のポイントと見方
長期上昇トレンドは、60ヶ月移動平均線が上向きの状態で推移したチャート(株価の動き)を云います。
この長期上昇トレンドの下値目途は60ヶ月移動平均線を目途としますが、その時の相場内容により、-30%ラインまで下落することもあります。この範囲を下値目途として上昇している動きです。
- 「上昇相場」1番(黄色)の局面では、95年6月に下げ止まってから、8月に6ヶ月移動平均線を上回り上昇転換しました。
その後、6ヶ月移動平均線を上回り上昇相場に転じて97年5月まで約2年間の上昇相場となっています。この様に、60ヶ月移動平均線-30%ラインで6ヶ月移動平均線を上回ってから上回っている間を上昇相場と判断します。
上昇相場は97年まで続きましたが、高値を見ると96年、97年と60ヶ月移動平均線+50%ラインの位置です。また、96年と97年の高値の価格差は約70円と伸び悩んでいることがわかります。 - 「上昇相場」2番、3番、4番(黄色)の局面でも、6ヶ月移動平均線を上回り上昇相場になっています。この様に、株価の下げ止まる位置は多少の違いがあっても、トレンドの変化が無い間は、概ね、この位置で6ヶ月移動平均線を上回り上昇に転換します。
- 上昇基調の天井圏を見ると、98年、99年と60ヶ月移動平均線+50%ライン前後か上回った位置です。この位置を上回ると株価維持の期間が短いことがわかります。
この高値圏と認識した中で、6ヶ月移動平均線を上回っている状態を上昇相場、下回った段階から下降相場に転じたと判断します。 - この様にトレンドの中の上昇相場は、6ヶ月移動平均線を上回った状態から転換したと判断します。このトレンドの中で6ヶ月移動平均線を下回っている状態を下降相場と判断します。
- 「下降相場」の1番、2番、3番(水色)の局面は、株価が60ヶ月移動平均線+50%ライン前後で6ヶ月移動平均線を下回った状態から判断します。
下回っている間を下降相場と判断して買いはしません。あくまで、株価位置、上昇転換の確認ができるまで待たなければなりません。 - この様に、トレンドを知っても株価位置と基調を理解し、上昇転換を待たなければ買っても株式投資は成功しません。
企業業績の内容も大切ですが、基調、株価位置、基調転換のタイミングが解らなければ株式投資で成功することは難しいということを理解ください。