株式市場の個別株全体の動向を把握する上で、騰落レシオは非常に重要な指標の一つです。今回は、この騰落レシオの基本的な見方や活用方法について解説します。
騰落レシオとは、一定期間内に値上がりした銘柄数と値下がりした銘柄数の比率を示す指標です。一般的に25日間のデータを用いることが多く、「過去25日間における値上がり銘柄数の合計 ÷ 値下がり銘柄数の合計 × 100」として計算されます。基本的に100を基準として、100を上回ると買いが優勢、100を下回ると売りが優勢と判断されます。
一般的な目安として、騰落レシオが120以上になると「相場全体が買われすぎ」、80以下になると「相場全体が売られすぎ」と見なされます。ただし、これはあくまで全体の傾向を見る指標であり、個別銘柄の過熱感を判断するものではありません。騰落レシオは、日経平均やTOPIXなどと組み合わせて分析することで、より正確な市場の状況を把握するのに役立ちます。
日経平均は225銘柄の主力株を対象としており、市場全体の動きを必ずしも正確に反映しているわけではありません。そのため、日経平均が下落していても騰落レシオが100以上を維持している場合、個別銘柄の多くはまだ堅調である可能性があります。逆に、日経平均が上昇していても、騰落レシオが低下している場合は、広範な銘柄が下落しており、市場全体の勢いが弱まっていることを示唆します。
短期売買を行う投資家にとっては、騰落レシオの期間を調整することで、より短期的な市場の強弱を判断することができます。例えば、10日間の騰落レシオを用いることで、1〜2週間単位の市場の勢いを把握することが可能になります。10日騰落レシオが100を上回ると短期的な上昇傾向、100を下回ると短期的な下降傾向を示すため、トレードの判断材料として活用できます。
また、騰落レシオが極端な水準に達した際には、市場の過熱感や反発のタイミングを示すこともあります。例えば、10日騰落レシオが150を超えると短期的な買われすぎ、50を下回ると売られすぎと判断されることが多いです。これらの極端な水準を確認しながら、市場の転換点を見極めるのも有効な戦略です。
今回はこのような騰落レシオの見方と活用方法を動画で解説していますので、ぜひご覧ください。