日経平均株価は、節目の39,000円を上回っており保ち合い状態から上抜けしつつあります。今回は長期トレンドを見極めるための200日移動平均線の見方を解説いたします。
200日移動平均線は、長期のトレンドを判断するための重要な指標として広く利用されています。この移動平均線は、過去200日間(おおよそ10か月間)の平均株価を表しており、株価の動きを見る上で非常に有効です。その役割と特徴について詳しく解説します。
200日移動平均線は、株価が長期的なトレンドを形成する際に、強力なサポートやレジスタンスとなる傾向があります。たとえば、株価が200日線を上回っている場合、長期的な上昇トレンドが継続しやすく、逆に下回っている場合は下降トレンドが続くことが多いです。これは、200日線が過去の多くの投資家の平均取得価格を反映しているためであり、心理的な節目として機能するためです。
実際のチャートを見てみると、株価が200日移動平均線を超えると上昇トレンドに転換し、下回ると下降トレンドに転じるケースがよく見られます。このような変化は、長期投資家の損益状況にも影響を与えます。200日線を下回ると、多くの投資家が含み損を抱え、売り圧力が強まる一方で、上回ると含み益が増え、売り圧力が軽減される傾向があります。
また、200日移動平均線は短期の移動平均線(10日線や25日線)と組み合わせることで、さらに効果的な分析が可能です。例えば、株価が短期線を下回った場合、一時的な調整と捉えることができますが、200日線を下抜けた場合はトレンドの変化を示唆する重要なシグナルと考えられます。
特に注目すべきポイントとして、200日移動平均線を超えた後に一時的に下落する局面があります。これは、グランビルの法則でいう“買いの2番”に該当し、中長期的な買い場となることが多いです。
移動平均線の向きも重要な指標ですが、それが上向きになるには、株価が長期間にわたって平均線を上回る必要があります。そのため、200日線が上向きになってからトレンド転換を判断するのではなく、200日線を超えた直後やその後の調整局面を早期に捉えることが、効果的なトレンドフォロー戦略となります。
これらの特徴を理解することで、200日移動平均線を軸にしたトレンド判断が可能となり、中長期的な投資判断に役立てることができます。この動画では、具体的なチャート例を用いて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。