東証1部 5741 UACJのリクエスト分析

「2016年3月期の業績予想が控え目な数字だったのか、市場予想を下回るとして決算発表後に下落しました。そうは言っても増収増益を見込んでおり、他の非鉄金属の銘柄が上昇する中、出遅れ感が強いように思えます。チャート分析で何か読み取れることがあればご教授願います」とのリクエストをいただきました。

UACJは、国内2強の統合により誕生した世界でもトップクラスのアルミニウムメーカーです。ご指摘のように他の非鉄金属メーカーが直近立ち上がりを見せているにも関わらずUACJの反応は限定的です。

理由はいくつかあると思います。日足チャートを見てみましょう。
まず、テクニカル的には長期筋や大口機関投資家などの売買指針である200日移動平均線(橙色)を未だ株価が下回っていること。また、75日移動平均線(水色)を回復できないことで下げ止まりが確認出来ないという点です。

上値抵抗線として意識されている75日移動平均線を上回れない間は戻り売りの下値固めが継続することとなります。

また、信用の買い残が依然高水準で比率は59.1倍となっています。
買残増は将来の売り要因です。現在は、1月21日に目先ボトムをつけた格好となった時期に買いを保有した向きの保有期限6か月を前に、ポジションの整理を余儀なくされる時期でもあります。他の非鉄銘柄と比べて出遅れ、ないし上値が重いと感じる要因はこの辺りにあります。

財務面や環境的には、見直し買いへの期待も持てますが需給の整理が進み下げ止まりが確認できてからあらためて検討していっても遅くないと感じます。

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