東証1部 8020 兼松のリクエスト分析

「いつも参考にさせてもらってます。割安感がありそうですが、上値も重そうです。288円で購入して塩漬けです。どう対応したらよさそうですか?」とのリクエストをいただきました。

いつもご覧いただきましてありがとうございます。
288円での購入とのことでしたので、9年以上保有していらっしゃる状態と存じます。
まずは月足チャートで現在の株価位置を確認しておきましょう。

株式市場が長期低迷し日経平均が10,000円の大台割れを示現していた当時、兼松も同様100円を頭に軟調に推移し続けました。しかしその後2012年の年末以降、アベノミクス効果で100円を突破してくると上昇トレンドを形成していきました。

10年という超長期のスタンスで保有されていた訳ですから、ご覧の月足チャートの1年移動平均線(緑)、2年移動平均線が右肩上がりでかつ株価がおおむねその上で推移しているうちは大きなトレンドは継続と見て、気長に待ってみるのもひとつの手であると思います。投資の最終判断はお客様です。

続いて日足チャートで目先の動きを確認しましょう。
8月の急落で下げ相場が続いていましたが、下値固めから25日移動平均線を上回り安値を切り上げてきていることで戻り試しの展開となっています。
ただ、直近は戻り高値近辺でボックスでの動きとなっておりますので仮に25日移動平均線(緑)を大きく割り込む動きとなれば、保合い解消の売りから200日線(橙)を割り込む動きが想定されることも考慮しておきましょう。

PBR・PERを見てみますと、【兼松】PBR:0.9倍、PER:6.8倍と数値的には割安ではありますが、同業種(商社)の他銘柄と比較しますと各社同水準ですので兼松だけ同業種の中で取り立てて割安であるとまでは言い切れない部分もあります。

(参考)
丸紅   PBR:0.8倍  PER:6.7倍
伊藤忠  PBR:1.0倍  PER:7.4倍
住友商事 PBR:0.7倍  PER:7.4倍
双日   PBR:0.6倍  PER:8.7倍
三菱商事 PBR:0.6倍  PER:10.9倍
三井物産 PBR:0.7倍  PER:11.9倍

ただ、商社も日本株全体も大きく売られた後に上げ渋っている状態です。
掉尾の一振、海外ではクリスマスラリーとも言われますが、年末から年初にかけて、業績もさほど悪くはないけど低迷している日本株に外国人投資家の買いが流れてくることに期待したいところです。

8020M

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