「6月8日 急落しました。公開買い付けとか?よく解りません。会社の財務基盤が良好になり、会社にとって、良い方向に向かうと考えてよいのでしょうか?実は、6月8日 涙の損切りを しました。ご意見伺いたくお願い申し上げます。」と、リクエストいただきました。
6月8日に発行済み株式数の31.58%に相当する1630万株を上限に自社株にTOB(公開買付)をかけることが発表されました。
自社株買いが行われると、市場に出回る株数が減少し需給が改善するため、株価を適当な水準に回復させる効果があるといわれています。また、利益が一定で流通する株数が減れば、1株あたりの利益率やROE(株主資本利益率)が改善するため、株主還元策として捉えられることが多く、目先の材料としては本来好感材料です。
ただ、今回TOB価格は1株につき3497円、前日終値に比べ7%近く安い水準に設定されたことから、株価はその価格にサヤ寄せする動きが先行し翌6月9日に急落となりました。アナウンス効果も含めて目先の材料が市場で消化されるには3日程度ですので、まずはしっかりとその後の動きを見極めていくのが肝心です。
株価は上昇基調ですが、先日の急落で下値支持線である26週移動平均線(水色)に接近する展開となっています。
まずはこのラインを維持できるかどうかが目先のポイントです。
当該企業ホームページのIR上方によると、買い付け期間は平成29年6月9日(金)から平成29年7月6日(木)までの20営業日となっています。単純に「自社株買い=株価上昇」というような構図にはなりませんので過信は危険ですが、26週移動平均線を大きく割れることなく足元を固めることがでれば、押し目として見ることもできそうです。