東証1部 5703 日本軽金属ホールディングスのリクエスト分析

「増収増益基調で、株価も上昇トレンドを維持しているように見えます。PERから見ても割安だと思いますが、中長期での株価のメドはどのくらいを目標に見ればよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。」とのリクエストをいただきました。

まずは、日足チャートを見てみましょう。

200日移動平均線(橙)割れレベルで下値を固め、その後上向きの25日移動平均線(緑)を支持線に安値を切り上げる上昇相場となっています。

押し目で直近の安値を割れず、次の上昇局面では直近の高値を超えていく相場が続いている場合は上昇トレンドが継続しています。この強い状態が続いているようであれば上値を伸ばすことも可能です。

上値の目途は6月4日高値237円、ここを超えてきますと新高値となり値が軽くなります。

ただ、直近の高値超えに失敗しかつ目先の安値を割り込んできた場合は、戻り高値形成の可能性もありますので要注意です。

非鉄金属の業種別月足チャートを見てみますと、長期レンジ相場の半値戻しを達成しています。半値戻しは全戻しとも言われます。全体相場が戻り高値で保合いとなっていますので一朝一夕にはいかないとは思いますが、このように俯瞰でみてみますと、同業種全体の上値の余地はまだありそうです。
PER等の指標はご指摘の通り割安を示しています。

現在資金の流れは、周知の如く郵政3社に集中している状態ですが、郵政買いが一巡し物色の流れが広がってくれば中長期的な視点で保有するのに面白い銘柄であると考えています。

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東証1部 8020 兼松のリクエスト分析

「いつも参考にさせてもらってます。割安感がありそうですが、上値も重そうです。288円で購入して塩漬けです。どう対応したらよさそうですか?」とのリクエストをいただきました。

いつもご覧いただきましてありがとうございます。
288円での購入とのことでしたので、9年以上保有していらっしゃる状態と存じます。
まずは月足チャートで現在の株価位置を確認しておきましょう。

株式市場が長期低迷し日経平均が10,000円の大台割れを示現していた当時、兼松も同様100円を頭に軟調に推移し続けました。しかしその後2012年の年末以降、アベノミクス効果で100円を突破してくると上昇トレンドを形成していきました。

10年という超長期のスタンスで保有されていた訳ですから、ご覧の月足チャートの1年移動平均線(緑)、2年移動平均線が右肩上がりでかつ株価がおおむねその上で推移しているうちは大きなトレンドは継続と見て、気長に待ってみるのもひとつの手であると思います。投資の最終判断はお客様です。

続いて日足チャートで目先の動きを確認しましょう。
8月の急落で下げ相場が続いていましたが、下値固めから25日移動平均線を上回り安値を切り上げてきていることで戻り試しの展開となっています。
ただ、直近は戻り高値近辺でボックスでの動きとなっておりますので仮に25日移動平均線(緑)を大きく割り込む動きとなれば、保合い解消の売りから200日線(橙)を割り込む動きが想定されることも考慮しておきましょう。

PBR・PERを見てみますと、【兼松】PBR:0.9倍、PER:6.8倍と数値的には割安ではありますが、同業種(商社)の他銘柄と比較しますと各社同水準ですので兼松だけ同業種の中で取り立てて割安であるとまでは言い切れない部分もあります。

(参考)
丸紅   PBR:0.8倍  PER:6.7倍
伊藤忠  PBR:1.0倍  PER:7.4倍
住友商事 PBR:0.7倍  PER:7.4倍
双日   PBR:0.6倍  PER:8.7倍
三菱商事 PBR:0.6倍  PER:10.9倍
三井物産 PBR:0.7倍  PER:11.9倍

ただ、商社も日本株全体も大きく売られた後に上げ渋っている状態です。
掉尾の一振、海外ではクリスマスラリーとも言われますが、年末から年初にかけて、業績もさほど悪くはないけど低迷している日本株に外国人投資家の買いが流れてくることに期待したいところです。

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東証1部 6141 DMG森精機のリクエスト分析

「いつも参考にさせていただいています。ある証券会社の会社分析を見ていたら、DMG森精機の評価で成長性と、割安性が10で高評価でした。そこで購入を検討しているのですがいかがでしょうか。」とのリクエストをいただきました。

いつもご覧いただきありがとうございます。

PERは、一般的な目安として20倍以上なら割高、20倍以下なら割安とされています。DMG森精機の連結PERは11.9倍で現時点の株価水準においては割安と判断できます。連結PERは1.2倍、こちらは1株に対する投資金額と1株当たりの解散価値が一致する1倍が基準となります。

米国代理店との契約解除が一時的な売上抑制に留まるか否か、先の決算では足元の材料が成長性を鈍化させるとの懸念で株価はネガティブに反応しています。

それではチャートを見てみましょう。

週足チャートを見てみますと、13週移動平均線(緑)が下向きで株価はその下にあり下降基調ですが、下値では8月・9月の下押し局面で1,500円レベルが何度か支持線として意識されていることから下降ボックス相場です。

下降相場ですので、短期トレードでの買いは見送り。
長期トレードであれば、値ごろ感はありますが1,500円を再度割り込む動きとなった場合は注意が必要です。戻りを狙っていく場合は、50週移動平均線(橙)が位置する1,855円が目先の上値のポイントです。ボックス相場上抜けとなった場合は、6月高値2,638円から10月安値1,470円の半値戻し2,054円が次の上値の焦点となります。

上昇トレンドを崩した7月後半から信用の買い残は一段高(倍率は11倍)となっていますので、年末に向けてこの売りものをこなしていけるか、上値をとっていく場面では段階的に戻り売りも出やすい局面です。

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