東証1部 5202 日本板硝子のリクエスト分析

「出遅れ銘柄として購入を検討しております。業績は回復しているようですが、チャート的には、昨年10月~11月あたりを底に上昇転換したと見てよろしいでしょうか。」とのリクエストをいただきました。

ご指摘のように、昨年10月に安値を付けた後は下げ渋り、緩やかに安値を切り上げる底値固めの展開となっております。(図1)

しかし、上値では依然200日移動平均線が抵抗となっていますので、短期的に上がりやすい状態に転換したとはいえません。

200日移動平均線を株価が上回り、支持線として機能していくような状態になれば、物色の対象としての魅力もでてくるといったところでしょう。

また、今年に入ってから同業種の5201旭硝子は堅調に推移しています。(図2)
堅調だった銘柄の上昇が一服した時に、同業種の銘柄が出遅れ銘柄として、新たな物色対象として注目されることもあります。

ただし、この銘柄が一転下降に転じると一斉に手仕舞いが入ることもありますので注意が必要です。

5202

5201

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東証1部 6724 セイコーエプソンのリクエスト分析

「PER、ROEなどから見ると格安。テクニカル的にはまだまだ下がりそうですが、今買っておけば1年後には倍くらいになるのではないかと思いますが、全く読めません。」とのリクエストをいただきました。

ご指摘の通り、テクニカル分析の観点からは各種移動平均線を株価が下回っており、更に戻りを75・200日移動平均線で押さえられたことから上値が重い状態です。目先下値では、直近安値2/17(2,028円)が焦点となるでしょう。今、買っておけば・・・(2,100円レベル)ということですと、この2月の安値割れをリスク要因として考慮必要があり、仮にここを割込みますと買い残の整理が一気に出てくる可能性も考えられます。
日足チャートのパターンからいえば現状の買いは見送りです。

また、財務指標の数値は株価に既に織り込まれており、PERが低ければ割安なので即買いとか、ROEが高ければテクニカル分析に関係なく即買いと判断することは危険です。テクニカルや需給を合わせて判断する必要があります。

週足チャートを見てみますと、好業績を織り込み始めてから既に株価は5倍近く上昇しています。むしろ現在は、長期上昇トレンドの調整局面にあると言えますので、今から数か月で株価が倍になる?とは考えづらいところです。
信用買い残などの需給関連指標の好転を待つのも一考でしょうか。

【参考】
PER(株価収益率)
現時点での株価が割安か割高かを見るもので20~30倍以下、低い方が良いとされていますが、株価が下がれば低くなり、株価が上がれば高くなるものですので、基調が下降の時には必然的に割安に計算されます。

ROE(株主資本利益率)
外国人投資家が重視するファンダメンタルズ指標の一つで10%以上のものが好まれます。10%以上であれば投資先として検討してもよいだろうと銘柄を選別するための指標。20%以上は超優良企業です。

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東証1部 3774 IIJのリクエスト分析

「下方修正から下げていますが、信用残やテクニカル・ファンダ的に戻り局面は近いでしょうか?2,350円までの戻り 5月のSIMフリータイミングでしょうか?」とのリクエストをいただきました。

3/24発表の業績の下方修正を材料に、マドを大きく空けて急落しました。
材料での急落は、その後急反発となるケースもありますが、未だ自立反発の動きも見られず、下値模索の展開となっています。

日足チャートを見てみますと、数か月続いたボックスを一気に下割れ、信用買残も18倍と高水準です。

業績発表後も高値・安値ともに切り下げる相場が続いていることから、買い残の整理が加速しますと、目先下値では昨年10月の安値1,802円がサポートとなるか見ていきたいところです。

一方上値の焦点は、25・75・200日などの各種移動平均線を一気に突き抜けて急落していることから短期的に買戻しが入ったとしても戻りは鈍いことが予想されます。まずは、マドの下限2,217円。ここを超えてくれば200日移動平均線が位置する2,300円近辺が視野に入りますが、過去のもみあい相場の下限でしこりがあり、強い抵抗帯として意識されるでしょう。

下げ止まりが確認できないうちは、買いはまだ見送りです。

また、財務面からは今回の発表で15年3月期の連結税引き前利益が従来予想の65億円から51.5億円と下方修正しております。こちらの要因はNTTドコモによる卸定額通信料の改定(ネットワーク原価の上振れ)にあります。一過性のコスト増ではないので中期的な視点で見ていく必要があるでしょう。

5月のSIMロック解除義務化は織り込み済みと見ます。

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