「600円で購入し塩漬けです。そろそろ、上昇しそうですがチャート的にはどの様になっていますか。」 とのリクエストをいただきました。
3月3日に発表された中期経営計画では、大型の設備投資や高炉の休止を含む生産性向上策などが買い材料視されたものの、直近の高値320円近辺では上値重たい展開が続いています。
新日鉄住金の週足チャート(図1)を見てみますと、長らく続いた三角保合いを上抜けしてきたことで、ここ数年の高値350円どころが意識されるところです
ただ、月足チャートを確認しますと日経平均が約15年ぶりの高値を回復する動きを見せている(図2上参照)にも関わらず、新日鉄住金は(図2下参照)東証の大型株でありながら、この全体相場の流れにうまく乗りきれていない点に注目しなければなりません。
鉄鋼業界は、中国をはじめとした新興国などの景気悪化により需要が鈍化しているうえ、中国では生産能力の拡大を急いだため供給過剰な状態が続いています。そのため、今後の鉄鋼価格の下落が懸念されていることが警戒要因となっています。
600円台(塩づけ水準)回復にはまだ時間がかかると言わざるをえませんが、チャートでは下値での底堅さはあり、今後の鉄鋼市況の改善や、割安株・出遅れ株が注目される相場がやってくることに期待したいところです。