OBV(オン・バランス・ボリューム)の見方・使い方
オン・バランスとは「差し引きして」という意味であり、OBVとは差し引き計算による出来高を表します。
この考え方は、まず出来高を株価上昇日の出来高と株価下落日の出来高に分けます。
株価上昇日の出来高は、すべて買いによるものとみなし、株価下落日の出来高はすべて売り方によってもたらされたものと見なします。
したがって、それぞれの局面におけるその株価の基調、売買タイミングを判断するには適しますが、半面、大局的にとらえようとする場合はあまり適さないようです。
OBVの見方は?
- OBV線が上昇傾向にある時は買い方の勢力が蓄積されつつあり、先行き株価上昇が予想されます。
- 直前のピークを上回って上昇した後、直前のボトムを下回って下降した場合を(その逆も)一日反転といい、多くの場合はしばらくの間、反転した方向にOBV線が動く傾向にあります。短期的には取引に適した戦術として利用することができます。
- OBV線が、長期的に見た上値抵抗線を上回った場合は、相場の基調が強く、反対にOBV線が長期的に見た下値支持線を下回った場合は相場の基調は弱いと言えます。
OBVの作成方法(計算式)
一定基準日以降、株価上昇日の出来高は加算し、株価下落日の出来高は減算して累計します。
終値が前日と変わらない時は、前日の累計をそのまま持ち越します。
配当落ちや増資権利落ちの場合は、逆算値が上がった時はその日の出来高を加算し、逆算値が下がった時はその日の出来高を差し引きます。
このようにして算出された累計がOBVの数値で、この数値を線で結びグラフ化したものがOBV線です。
執筆者紹介
伊藤正之
株式会社ストック・データバンク新宿事業所代表
手掛けた株価分析ソフト「株の達人」は、25年以上、延べ1.2万人以上の個人投資家の方々にご愛顧いただいています。(2024年5月現在)
同会員向けサイトでは、「日経平均株価の動き」等のチャート分析を活かした市況解説などでも会員の方々にご好評をいただいてます。
青木智
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)保持者
元・株式会社ストック・データバンク新宿事業所の投資コンテンツ担当。
現在はフリーランスで投資関連のコンテンツ等を手掛け、株の達人の会員サイト等にも動画や相場解説などのコンテンツを提供。
登録者数約3万人(2024年5月現在)の株の達人Youtubeチャンネルの動画も手掛ける。