陰陽足の見方・使い方
陰陽足とは、異なる複数の期間の陰・陽線を同時に表示し、相場のトレンドと勢いを見る指標です。
通常は、3本の足を利用しますが、短期の陰陽足では株価の急伸・急落・続伸・転換を、中期の陰陽足では株価の中期的な転換・強弱方向性を、長期足では株価の中長期の転換、強弱、方向性を見ます。
陰陽足の使い方は?動画でご紹介
陰陽足の基本的な見方を解説します。
※動画が見られない方は https://youtu.be/bTikN5ulYgg をご覧ください。
陰陽足の見方は?
3本の足が陽転したら基調は上昇に転じたと見ます。
また短期陰陽足が陰転したら基調は下降に転じたと見ます。
<日足の場合>
陰陽足は日々の変化に対応でき、実践で判断しやすいチャートになります。
3日陰陽足:株価の急伸、急落、続伸、転換をみる線
25日陰陽足:株価の中期的な転換、強弱方向性をみる線
75日陰陽足:株価の長期的な転換、強弱方向性をみる線
<週足の場合>
3週陰陽足:日足よりゆっくりした見方で転換をみる線です。
13週陰陽足:中期的に売買の方向性をつかむ線です。
26週陰陽足:株価の長期的な将来をみるのに有効でこの線の転換はトレンドの転換と考える線です。
陰陽足の買いポイント
- 日足チャート
相場位置が底値圏で 3日足、25日足、75日足の3本が揃って陽転したら上昇転換と見る買い信号です。 - 日足チャートの押し目
75日足が上昇中に、25日足が陰転下降した。3日足は75日足と25日足の間に位置していたが、3日足が陽転上昇し、25日足を上抜き、続いて25日足も陽転したら、押し目型の反転と見る買い信号です。 - 日足チャート
相場が初動で大きく上昇してから、高値で横這いを続けている状態で、25日足が陰転下降、上昇続けている75日足に接近し、3日足が陽転、3本が収斂したところで、25日足も続けて陽転した場合は、高値圏で持ち合うことで、日柄整理が終わって、上昇に転じたとみる買い信号です。 - 週足チャート
日足チャートと同様に3週足が陽転して13週足を下から上抜き13週足も陽転して26週足に接近上抜き3本がともに陽転した場合上昇転換の買い信号です。
又、26週足、13週足が下降中であっても、3週足が直近の3週足の2本ないし3本の陰線を抜く大陽転をした場合、重大な転換と見る買い信号です。 - 週足チャートの押し目
26週足が上昇中、13週足を下抜けた3週足が、反転上昇し、再び13週足を上抜き上昇した場合、押し目からの上昇反転と見る買い信号です。 - 週足チャート
日足チャートと同様に、高値圏で13週足が緩やかに下降して、上昇中の26週足に接近し、3週足も下降して26週足に接近したところで、反転、13週足を上抜いて上昇し、13週足も陽転したならば、高値保ち合い、日柄整理の上昇反転と、見る買い信号です。
陰陽足の売りポイント
- 日足チャート
3日足、25日足、75日足が陽転し、3本が大幅に乖離した状態で上昇した後、3日足が陰転したら短期急騰後の反落と見る売り信号です。 - 日足チャート
高値圏で25日足が陰転下降、75日足とデットクロスしてから、2線揃っての下降転換を確認後、戻りの3日足が75日足を上に抜けず、陰転した場合、下降転換と見る売り信号です。 - 日足チャート
株価が持ち合った状態では、75日足、25日足、3日足の3本が収斂横這いし、陰陽繰り返し方向性が定まらない型があります。
この場合、もみ合いから3日足が下値線を抜いて下放れたら、下降に転じたと見る売り信号です。 - 日足チャート
75日足、25日足のデットクロス後3日足が大きく下ばなれた後に反発、75日足まで戻ったが、抜けきれずに反落したら、戻りいっぱいの売りです。 - 週足チャート
3週足、13週足、26週足が陽転上昇中、3週足が急騰13週足を大幅にカイリした後3週足が陰転したら、短期急騰型の相場が終ったと見る売り信号です。 - 週足チャート
高値圏で13週足が陰転、26週足とデットクロスしてから、26週足も陰転し、下降転換を確認後、陽転戻りの3週足が、13週足を上抜けず、陰転した場合、下降転換と見る売り信号です。 - 週足チャート
株価の位置が中段以上で、もみ合いを続けた状態では、26週足、13週足、3週足の3本は陰陽を繰り返し方向性が定まりません。
この場合3週足が下抜けたら、下降転換と見る売り信号です。 - 週足チャート
26週足が13週足を下回るデットクロス後3週足が急落し、大きく下放れてから反発、26週足まで戻ったが上抜けず反落した場合、戻りの売り信号です。
元々、陰陽足は移動平均線をチャートにしたものです。
チャートにしたことで複数の線を重ねて転換点をわかりやすくするというのが特徴です。上昇転換より下降転換したかどうかの判断がわかりやすいです。
コマツの週足陰陽足ですが、07年の10月に高値形成後の下降転換をハッキリ捉えています。下降転換は、13週陰陽足を3週陰陽足が陰転して下回り、その後13週陰陽足が陰転して26週陰陽足を下回って3本が揃って陰転すると、高い確率で下降の確認ができます。上昇転換は下降転換の確認より確率が下がりますので、出来高の増加や株価位置と相場の強弱の確認を見る必要があります。
短期線の陰陽足の組み合わせは、株価の転換を掴みやすいのが特徴です。
中期線を使った見方は抵抗線も含めて判断しますが、短期線の場合は短期線が揃って陽転(ピンク)したら買いシグナル、陰転(水色)したら売りシグナルとして見ます。
陽転(ピンク)が続いている間は上昇継続で、陰転(水色)したら下降転換したと判断する売りシグナルです。
相場の強弱で継続期間に違いはありますが、色の変化で強弱感を見ようとするのが短期線を組み合わせた陰陽足の使い方です。
どちらかと言えば短期線を組み合わせた陰陽足の見方の方が簡単に株価の動きを捉えられ、初めての方にも強弱感が色でわかるので、短期線の組み合わせが良いと思います。
陰陽足の作成方法(計算式)
当日(XX)日間終値平均値と前日(XX)日間終値平均値を用います。
前日平均値より当日平均値が高い場合は陽線(ピンク)、低い場合は陰線(水色)を描きます。
陰陽足の使用日数
日足 3日 25日 75日
週足 3週 13週 26週
月足 3ヶ月 12ヶ月 24ヶ月
注意:増田足・大引陰陽足と呼ばれる指標は陰陽足の別名です。出し方・使い方は同じ指標です。
執筆者紹介
伊藤正之
株式会社ストック・データバンク新宿事業所代表
手掛けた株価分析ソフト「株の達人」は、25年以上、延べ1.2万人以上の個人投資家の方々にご愛顧いただいています。(2024年5月現在)
同会員向けサイトでは、「日経平均株価の動き」等のチャート分析を活かした市況解説などでも会員の方々にご好評をいただいてます。
青木智
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)保持者
元・株式会社ストック・データバンク新宿事業所の投資コンテンツ担当。
現在はフリーランスで投資関連のコンテンツ等を手掛け、株の達人の会員サイト等にも動画や相場解説などのコンテンツを提供。
登録者数約3万人(2024年5月現在)の株の達人Youtubeチャンネルの動画も手掛ける。