線形回帰トレンドの見方・使い方
線形回帰トレンドとは一次関数で表現する統計学的な指標です。
一般的なトレンドラインと異なり、安値ポイント、高値ポイント同士を結ばず、株価の合間を縫うように線を引きます。そのため、相場が「上昇トレンド」にあるのか「下降トレンド」にあるのか「トレンドがないのか」客観的に判断することができます。相場判断に非常に有益な指標といえます。
線形回帰トレンドは、統計学的な指標で、株価の散らばりの合計を最小化する回帰直線を引くというトレンド系追随型指標です。
ボリンジャーバンドでは中心線に移動平均線を使用しますが、線形回帰トレンドでは中心線に回帰直線を使用します。
回帰直線は、相場の方向性やトレンドを表わし、株価が上昇、下降する際、終値の中心を通るように線が引かれます。その線に標準誤差を加減した線をつけることによって抵抗線や支持線として活用することができます。
線形回帰トレンドの使い方は?動画でご紹介
線形回帰トレンドはトレンドの状態を直線で表した指標です。
また中心線を基準に上下に2本づつ、抵抗ラインを表示していますので、トレンドの傾きと合わせて、買い場、売り場の判定に使うことができます。
※動画が見られない方は https://youtu.be/fNIpdIcW-rA をご覧ください。
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動画の再生に関する問題は、下記youtubeヘルプをご参照ください。
https://support.google.com/youtube/topic/3014746?hl=ja&ref_topic=3014327
線形回帰トレンドの見方は?
中心線と±2標準誤差(±2μ)の5本のラインを用いてトレンドと変動幅をみます。
トレンド:相場が徐々に変動している時は緩やかに傾き、急速に変動 している時は傾きも急になります。
変動幅:相場に動きがない時は幅が狭く、動きがある時は拡大します。
【1】相場が上昇する時は、株価が中心線を上抜き、上方で推移します。逆に下降する時は、株価が中心線を下抜き、下方で推移します。
【2】株価が+2μ(ミュウ)・-2μ(ミュウ)の範囲を逸脱した際は、これまでのトレンドに変化が生じています。
【3】設定する期間(本数)を短期・中期・長期と重ねてみると「下降→横ばい→上昇」またはその逆といったような変化の判断ができます。
【4】トレンドが下向いている時は買いポジションを持たないこと、逆にトレンドが上向いている時は信用・先物などの売りポジションを持たないことが重要です。
線形回帰トレンドの作成方法(計算式)
線形回帰トレンドは、各株価の終値からこの線に対して垂直に線を引いた時に、その線の合計が一番短くなるように引いた線です。この線の計算式は一次関数を用います。
i |
yi |
xi |
|||||
1 |
1000 |
1 |
-40 |
-2 |
1600 |
4 |
80 |
2 |
1040 |
2 |
0 |
-1 |
0 |
1 |
0 |
3 |
1030 |
3 |
-10 |
0 |
100 |
0 |
0 |
4 |
1060 |
4 |
30 |
1 |
900 |
1 |
30 |
5 |
1070 |
5 |
20 |
2 |
400 |
4 |
40 |
合計 |
5200 |
15 |
0 |
0 |
3000 |
10 |
150 |
平均 |
1040 |
3 |
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執筆者紹介
伊藤正之
株式会社ストック・データバンク新宿事業所代表
手掛けた株価分析ソフト「株の達人」は、25年以上、延べ1.2万人以上の個人投資家の方々にご愛顧いただいています。(2024年5月現在)
同会員向けサイトでは、「日経平均株価の動き」等のチャート分析を活かした市況解説などでも会員の方々にご好評をいただいてます。
青木智
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)保持者
元・株式会社ストック・データバンク新宿事業所の投資コンテンツ担当。
現在はフリーランスで投資関連のコンテンツ等を手掛け、株の達人の会員サイト等にも動画や相場解説などのコンテンツを提供。
登録者数約3万人(2024年5月現在)の株の達人Youtubeチャンネルの動画も手掛ける。