ベクトルの見方・使い方
ベクトルとは株価の騰落の傾きを日々の終値だけで計算する指標です。株価の過去数日間の『傾きの平均』がベクトルです。他の指標に比べ滑らかな線を描くため、目先のアヤには反応しずらいのも特徴と言えます。一定期間の株価の動きの転換点を捉えるのに有効な指標です。
ベクトルが、プラスの時は株価の回帰直線が上向きで上昇トレンド、マイナスの時は回帰直線が下向きで下降トレンドを意味しています。
ベクトルの使い方は?動画でご紹介
ベクトルは、株価の動きの傾きを平均化した指標です。他のオシレーター系指標に比べて、株価の動きに対して忠実に反応します。
テクニカル指標の中では、それほどメジャーなのものではありませんが、売買タイミングを判断するのにお勧めの指標です。
※動画が見られない方は https://youtu.be/IFPFtK8dkRw をご覧ください。
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ベクトルの見方は?
ベクトルの目盛り表示は固定ではなく銘柄により変動します。
- 逆ばり手法
日足ベクトルではマイナス15%以下ではほぼ大底圏と見ます。プラス15%以上では上げ過ぎで天井圏と見ます
買い条件・・・25日ベクトルがマイナス15%より下の時
売り条件・・・25日ベクトルがプラス15%より上の時 - 順ばり手法
買い条件・・・25日ベクトルが0より上の時には上昇トレンド
売り条件・・・25日ベクトルが0より下の時には下降トレンド - ベクトルが同平均線を上抜いたらベクトルが上昇を開始、割り込んだら下降を開始
買い条件・・・25日ベクトルが10日平均線を上抜けの時
売り条件・・・25日ベクトルが10日平均線を下抜けの時 - ベクトルと同平均線を組み合わせて(大底圏・天井圏)
買い条件・・・25日ベクトルがマイナス15%より下にあり、25日ベクトルが10日平均線を上抜けた時
売り条件・・・25日ベクトルがプラス15%より上にあり、25日ベクトルが10日平均線を下抜けた時 - 買い条件・・・ゼロを中心としたマイナスゾーンでベクトルとその移動平均線とのゴールデンクロスの時
売り条件・・・ゼロを中心線としたプラスゾーンでベクトルとその移動平均線とのデッドクロスの時
ベクトルの作成方法(計算式)
縦軸に時間、横軸に株価をとり、日々の終値をグラフにします。
一定期間の終り値分布の各点のできるだけ近くを通る直線を導きます。
まず一時直線を求めます。そして、これに傾きを持たせるため、更に正規方程式で回帰曲線を算出します。
ベクトルの使用日数
日足 計算日数=25日 平均日数=10日
週足 計算日数=13週 平均日数=10週
※平均日数はベクトルの移動平均です。
執筆者紹介
伊藤正之
株式会社ストック・データバンク新宿事業所代表
手掛けた株価分析ソフト「株の達人」は、25年以上、延べ1.2万人以上の個人投資家の方々にご愛顧いただいています。(2024年5月現在)
同会員向けサイトでは、「日経平均株価の動き」等のチャート分析を活かした市況解説などでも会員の方々にご好評をいただいてます。
青木智
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)保持者
元・株式会社ストック・データバンク新宿事業所の投資コンテンツ担当。
現在はフリーランスで投資関連のコンテンツ等を手掛け、株の達人の会員サイト等にも動画や相場解説などのコンテンツを提供。
登録者数約3万人(2024年5月現在)の株の達人Youtubeチャンネルの動画も手掛ける。