PER・PBR・ROE・営業CFと株価の関係
PERと株価の関係
PERは株価収益率(Price Earnings Ratio)のことで、1株利益の何倍で株価は買われているかを見る倍率です。PERが高ければ株価は利益に対して割高、低ければ割安と1株利益額に対し株価を比較する物差しと言えます。
しかし、この数値だけを元に割安か割高かを判断すると間違った見方をしてしまいます。
株価が割安か割高か。を見るのはPERだけではありません。月足で過去の株価位置と比較することでも、現在の株価水準が割安か割高か見た目で掴めます。PERは株価水準が割安であっても、株価水準から割安度を見ないため、割安水準の求め方に矛盾が生じます。
- 過去の株価位置と比較して現在の株価位置は上場来安値に接近し割安だが、利益が縮小したためPERから見ると割高を示している。
- 過去の株価位置と比較して現在の株価位置は上場来高値更新し最高値にあり割高だが、利益は過去最高でPERから見ると割安を示している。
この様なギャップが生ずることに注意しなければなりません。
これはPERを使って判断することで高値で最高益は「底値で割高→高値で割安」また「底値で割安→高値で割高」の2つのパターンとなります。結果的にPERだけでは、割安かどうかの判断は出来ず、株価位置などのテクニカルと併用して判断材料とします。業績と株価の関係では、PERだけで決めるのではなく、株価位置を考慮して判断することで利用価値を高めます。
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PBRと株価の関係
PBRとは資産倍率(株価純資産倍率・price・book-value・ratio)です。企業が保有する資産価値より株価が何倍まで買われているかを見る指標ですが、全ての企業に当てはまるものではない。最近はネット企業の上場が増えています。ネットとは資産を持たず資産で商売しない企業です。また資産形成できるとしたら、創業から20年以上経たなければ、株価と比較する程の資産は持てません。
この様に、ビジネスする上で資産を必要とする企業は資産価値から株価が割安か割高かを求めることはできますが、創業の浅い企業、アイデアや特殊技能をベースに発展させている企業にはPBRと言う指標は当てはまりません。この様な企業は売上高の伸び率など、企業の成長率から株価を求めます。
ROEと株価の関係
ROEとは自己資本利益率です。
(ROE=予想純利益÷自己資本×100(%))
企業の自己資本から見た時の利益率を見る指標ですが、全ての企業に当てはまるものではない。自己資本に対して利益率が高いことは、例えば「任天堂」の様に独自の強みのある企業は好成績となります。自己資本で工場など大きな設備を作った場合は、多大となった自己資本からは利益率は小さくなります。
また自己資本でなく、借入れ金で工場など大きな設備を作った場合は、総資産は増えるが自己資本は増えません。自己資本は小さいままですから利益率は大きくなります。この様に借入金(総資産)が増えた場合は評価が下がる場合があります。この場合は、ROA(総資産利益率)と比較すると良い。
またネット企業の場合、ネット企業は資産を持たず商売する企業です。ビジネスモデルは、アイデアや特殊技術をベースに発展する企業です。ネット企業は、企業は売上高の伸び率、利益の伸び率から企業の成長率、株価を求めますのでROEは適した指標と言えます。ROAが低い場合は、借入金依存率が高いことを示していますから合わせて見るのが良いでしょう。
営業CFと株価の関係
金持ちとは企業も個人も家庭も見方は同じである。あえて儲からない貧乏企業の株を買う人はないでしょう。儲かってお金持ち企業に投資したい。これが一番安全だと思うからです。その企業の本業が儲かっていれば、その企業が赤字をだしても、翌年には黒字転換できます。
本業が儲かってない企業は、利益(収入)より出費が多い企業です。この企業はリストラしない限り利益はでません。家庭でも収入以上に使ってしまったら赤字になるし、無駄使いを減らさなければ黒字になりません。黒字企業が赤字転落しても買われる理由は、前期の営業CF(利益)キャッシャフローの大きい企業は、良くなければスグに黒字転換できると言う裏づけがあるからです。
赤字転落しても底入れし、株価が上昇するのは、この様な裏づけがあるからです。赤字転落した場合、PERは役立ちませんが、過去の利益額を見ておくことで、回復した場合の利益額から1株益を求めることができます。それを見て先買いする理由となります。